廃線ウォーク(下り線)(その2)[後編] [鉄道(廃線跡)]
3号トンネル出口手前では勾配標があります。63‰の勾配から水平(「L」)という意味です。
特殊信号発光機。異常発生時は五角形に並んだ赤いランプがぐるぐる回ります。錆びていて見えないですが下には「落石」と書かれています。今回のイベントに合わせて動作させてくれていました。(実際に落石が発生してているわけではありません。)
ここでトイレ休憩。軽井沢側に簡易トイレが設置されています。国の重要文化財施設の付近とはいえそろそろ常設を考えて欲しいところ。
4号トンネルには初代自転車カートが置かれていました。2号トンネルにある醤油はこれで運んだようです。
第5トンネルと第6トンネルの間にある碓氷第9橋梁。前回は車が通れるような道が手前に延びてましたが、今は自然にかえっています。
第9トンネルは前回紹介時にもあるとおり、3年前の台風により中尾川が氾濫して水が流れ込み通れない状態が続いています。今回も上り第7トンネルを経由して迂回します。第8トンネルは通れるのですが、その先上り線へが通れないためです。
路盤がえぐられた状態です。復旧するにも3000万ほどかかるのだとか。
レールの継ぎ目では無く、レールを窃盗するためにサンダーで切った跡。未遂に終わった模様です。
旧碓氷第13橋梁。レンガ積みの橋梁は新線切替時に重い機関車が通るのは厳しいため、迂回するように隣に新線を設けたようです。これは碓氷第3橋梁(めがね橋)なども同じ理由なのだとか。熊ノ平からは同じレンガ積みの橋梁でも小さいものが多く、掛け替えで済んだので大半は旧線から流用されている箇所が多いです。
虎模様のある下には道路がありましたが、新線工事に伴い改良して通らなくなったようです。
改良工事で廃道となった箇所。土砂に埋もれたガードレール。
PCマクラギは「コーワ」と書かれているのはマクラギの製造会社です。
「65」は1965年(昭和40年)に製造されたことを意味します。新線下り線が出来てから1度も交換されていないほど丈夫なものです。旧線廃止が1963年(昭和38年)、旧線を改良して新下り線として利用開始したのが1966年(昭和41年)です。
第10トンネルを抜け、横川側を撮影。上は国道18号線で、白いガードレールが見えます。トンネルは71.4mの長さで抜けますが、道路は高さを稼ぐため迂回します。道路が高いところにあるのでここから不法投棄する人がいるのだとか。
第11号トンネルの軽井沢側。旧線時代土砂で崩壊したため、トンネルを延長。その為出口にはレンガ積みのポータルがまだ残っています。新線でもこの状態で営業されていました。
同地点から軽井沢側を撮影。壁ですが延長したトンネルです。
第13トンネル。動物ではなく人が住んでいたようです。ブルーシートと画像には無いですがジャージが散乱してました。
第16トンネルの軽井沢側出口は改良されたようで、旧線時代のトンネル出口が塞がれていました。
最後となる第18トンネル。長野県に入ります。補強されている箇所は北陸新幹線との交差付近のようで、新幹線が通過すると音がするようです。
第18トンネル出口。予定より30分ほど遅れて到着。もうちょっと早かったら綺麗な夕焼けが見られたかも。
勾配標。66.4‰から2.9‰へと一気に緩やかになります。
信号機手前で終了です。ここから右側の空地に移動してレンタル品を返却、お土産として碓氷峠の地図を貰って終了となりました。
<まとめ>
トンネル名称 | 下り線 | 上り線 |
長さ(m) | ||
第1隧道 | 75.0 | 1218.0 |
第2隧道 | 1215.0 | 896.0 |
第3隧道 | 946.5 | 110.0 |
第4隧道 | 117.9 | 137.5 |
第5隧道 | 112.6 | 267.5 |
第6隧道 | 235.3 | 248.0 |
第7隧道 | 242.5 | 206.0 |
第8隧道 | 173.2 | 579.66 |
第9隧道 | 568.0 | 1332.0 |
第10隧道 | 74.44 | 115.0 |
第11隧道 | 291.1 | 439.0 |
第12隧道 | 185.3 | - |
第13隧道 | 293.5 | - |
第14隧道 | 59.7 | - |
第15隧道 | 91.0 | - |
第16隧道 | 106.0 | - |
第17隧道 | 31.5 | - |
第18隧道 | 409.09 | - |
※2022.11.07 一部訂正
<関連ブログ>
2022/11/05 碓氷峠廃線ウォーク(下り線)(その2)[前編]
タグ:碓氷峠
廃線ウォーク、お疲れ様でした
碓氷峠の区間の廃線に悲しみを抱いていました
莫大な費用を要するから、が最大の理由なのでしょうけれども復活は不可能な物でしょう
by あっきー (2022-11-06 11:38)
こんにちは。あっきーさん。
当時EF63機関車の更新時期に差し掛かっていたのと、ではEF63なしで登れる車両を開発するとなるとかなりな費用がかかると思われます。
復活はしてほしいですけど、存続が厳しいのはやはりランニングコストでしょうかね。
ちなみに設備は頑丈な設計なようで廃止後25年経過しても廃線ツアーができるほどですが、頑丈とはいえあと半世紀くらいに劣化が心配されるそうです。
by nakka (2022-11-07 18:46)
旧碓氷第13橋梁の下の道は旧道だったと思います。昔の旧道は険しかったそうですが、ここだけを見ても想像できますね。
by あるごん (2022-11-15 10:02)
こんにちは。あるごんさん。
この旧道跡は昔の写真などで見たことがあります。当時の撮影スポットなのか解りませんが。
今は道路と線路は同じ高さですけど、下を通っていたところを見ると3~4mは嵩上げしていることになりますね。
by nakka (2022-11-19 00:46)